5.座標変換パラメータ

ITRF2000系と他の座標系の間の座標変換を行うための座標変換パラメータは2002年に明らかになってきました。以下に「ITRF94系等からITRF2000系への変換パラメータ」を一例として掲載します。

ITRF2000系と「他のITRF系及びWGS84系」との座標変換を行うには,以下のような14個の座標変換パラメータが必要です。”dot”は時間微分の意味で,後ろの7パラメータは時間依存成分です。

以下の変換パラメータは,ISO方式の座標変換式に対応したものです。

trns2000の前のバージョンであるtrns96にも,xyz2xyz_rateがありましたが,ここに掲載した変換パラメータはtrns2000のみに使用可能です。trns96のxyz2xyz_rate及びxyz2xyz_rate.parはtrns96専用です。

trns2000ソフトウェアに付属するパラメータファイル”xyz2xyz_rate.par”の内容の一例

#  |XS| |X| |T1| | D  -R3  R2||X|
#  |YS|=|Y|+|T2|+| R3  D  -R1||Y|
#  |ZS| |Z| |T3| |-R2  R1  D ||Z|
#  T1 = T10(RefEpoch) + T1dot * (t - RefEpoch) 
#  T2 = T20(RefEpoch) + T2dot * (t - RefEpoch) 
#  T3 = T30(RefEpoch) + T3dot * (t - RefEpoch) 
#   D =  D0(RefEpoch) +  Ddot * (t - RefEpoch) 
#  R1 = R10(RefEpoch) + R1dot * (t - RefEpoch) 
#  R2 = R20(RefEpoch) + R2dot * (t - RefEpoch) 
#  R3 = R30(RefEpoch) + R3dot * (t - RefEpoch) 
# Transformation parameters between ITRF93 and ITRF94 are from IERS Techinical Note 21
# Transformation parameters related to ITRF2000 are from ftp://lareg.ensg.ign.fr/pub/itrf/ITRF.TP .
#   Here 0.01ppb/y(=0.001*1D-8/y), the rate of D, is ignored, because it is within an uncertainty of 0.05 ppb/y.  This is consistent with the table computation.
#   T10      T20      T30       D0      R10     R20     R30  T1dot   T2dot   T3dot    Ddot    R1dot   R2dot   R3dot    Coordinate System        RefEpoch
#   cm       cm       cm       1D-8   .001"   .001"   .001"  cm/y    cm/y    cm/y    1D-8/y .001"/y .001"/y .001"/y    From          To           year
(下の行は一例)
#    -0.67    -0.61     1.85  -0.155    0.00    0.00    0.00    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF97        ITRF2000   1997.0
#    -0.67    -0.61     1.85  -0.155    0.00    0.00    0.00    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF96        ITRF2000   1997.0
    -0.67    -0.61     1.85  -0.155    0.00    0.00    0.00    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF94        ITRF2000   1997.0
#    -1.27    -0.65     2.09  -0.195    0.39   -0.80    1.14    0.29    0.02    0.06   0.00    0.11    0.19   -0.07     ITRF93        ITRF2000   1988.0
#    -1.47    -1.35     1.39  -0.075    0.00    0.00    0.18    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF92        ITRF2000   1988.0
#    -2.67    -2.75     1.99  -0.215    0.00    0.00    0.18    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF91        ITRF2000   1988.0
#    -2.47    -2.35     3.59  -0.245    0.00    0.00    0.18    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF90        ITRF2000   1988.0
#    -2.97    -4.75     7.39  -0.585    0.00    0.00    0.18    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF89        ITRF2000   1988.0
#    -2.47    -1.15     9.79  -0.895   -0.10    0.00    0.18    0.00    0.06    0.14   0.00    0.00    0.00   -0.02     ITRF88        ITRF2000   1988.0

6.trns2000を使った座標変換

ITRF2000系との座標変換を行うには,座標値(X,Y,Z)に加えて観測時期(年単位のUTC)を用意し,14個の座標変換パラメータを用いて,座標変換式により,座標変換を行うことができます。

しかし,実際の計算にあたっては,単位を揃える(例:cmをmに。masをradianに)等の細かい手順が必要です。

これらの負担を軽減し,主に選択方式により,ITRF2000系との座標変換を行うために用意されたプログラムが”xyz2xyz_rate.exe”です。”xyz2xyz.c”をコンパイルし,実行形式の”xyz2xyz_rate.exe”(Windows),”xyz2xyz_rate”(Linux,UNIX)が作成されます
”xyz2xyz_rate”は,LinuxやWindows上の「コマンド プロンプト(MS-DOSプロンプト)」で動作します。
”xyz2xyz_rate”は,”trns2000”ソフトウェアの中の12個のプログラムのひとつです。
”trns2000”ソフトウェアには,”xyz2xyz_rate”の他,”xyz2xyz_rate.par”及び”xyz2xyz_rate.in”が含まれています。
”xyz2xyz_rate”は,変換パラメータファイル”xyz2xyz_rate.par”を読み込んで,座標変換を行います。座標変換を行いたい座標値及び観測時期を格納した入力ファイルを作成する際に,例として”xyz2xyz_rate.in”を参考にしてください。

trns2000中のプログラム

trns2000は,trns96の後継ソフトウェア(上位互換)です。trns96を削除してからtrns2000を導入しましょう。

12個のプログラム・ソース・コードと機能
ソース名 機能
1 blh2xyz.c 緯度(度),経度(度),楕円体高(m)を三次元直交座標X,Y,Z(m)に換算。
2 xyz2xyz.c 7パラメータを用い,三次元直交座標X,Y,Z(m)を他の三次元直交座標系の座標値に座標変換。
3 xyz2blh.c 三次元直交座標X,Y,Z(m)を緯度(度),経度(度),楕円体高(m)に換算。
4 xyz2xyz_rate.c 14パラメータを用い,三次元直交座標X,Y,Z(m)を他の三次元直交座標系の座標値に座標変換。ITRF93系,ITRF2000系との座標変換では,このプログラムを使用。
5 dms2deg.c "dddmmss.ss"形式の緯度,経度を"degree"形式に換算。 (例: 1403000.00 を 140.5 に)
6 dmsc2deg.c "ddd:mm:ss.ss"形式の緯度,経度を"degree"形式に換算。 (例: 140:30:00.00 を 140.5 に)
7 deg2dms.c "degree"形式の緯度,経度を"dddmmss.ss"形式に換算。 (例: 140.5 を 1403000.00 に)
8 deg2dmsc.c "degree"形式の緯度,経度を"ddd:mm:ss.ss"形式に換算。 (例: 140.5 を 140:30:00.00 に)
9 dms2dms.c "ddd:mm:ss.ss"形式の緯度,経度を"dddmmss.ss"形式に換算。また,その反対の換算。
10 dndedu.c 2点の(X,Y,Z)から最初の点におけるもう一方の点の北,東,上方向ベクトル成分を計算。
11 dudvdw.c (X,Y,Z)と北,東,上方向ベクトル成分から,そのベクトルのX,Y,Z成分を(du,dv,dw)として計算。
12 ParCombine.c 文献等に与えられたいくつかの座標系間の変換パラメータセットから,可能なすべての組み合わせの変換パラメータを計算。7パラメータのみに対応。"xyz2xyz.par"を作成することが可能。

プログラムとパラメータファイル
ソース名 機能
1 blh2xyz blh2xyz.par
2 xyz2xyz xyz2xyz.par
3 xyz2blh xyz2blh.par
4 xyz2xyz_rate xyz2xyz_rate.par
5 dms2deg なし
6 dmsc2deg なし
7 deg2dms なし
8 deg2dmsc なし
9 dms2dms なし
10 dndedu dndedu.par
11 dudvdw dudvdw.par
12 ParCombine なし

※以上のパラメータファイルは,プログラムと同じディレクトリにあることが必要です。


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