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「干渉」? 合成開口レーダー

SARを使うと、地表の対象物からのレーダー反射波の強度に加えて、反射波の「位相」を得ることができます。電波は波の一種ですから、「山」や「谷」からできており、位相はその場所が波のどこにあたるのか(山なのか谷なのか)を表すものです。

この位相にはアンテナから地表までの距離の情報が含まれており、アンテナと地表の間の距離(実際には往復するので2倍)を電波の波長で割ったときの端数(あまり)として求められます。ただしこのままでは、整数分まで含んだ波数の全体ではなく、端数分しか解らないため、情報としての利用が難しくなります。

たとえば、図4のように長いものさし(巻尺)に目盛りはあっても、その目盛りに数字が書いていないような状態を想像してみましょう。

数字がないので全体が何メートルなのかは分かりません。しかし、2本のものさしを並べて測ったときに生じる差は小さいため、2目盛り分の差があることが読み取れます。

このように、地表の同一の場所に対して2回のSAR観測を実施し、それらを干渉させて差をとることによって、このわずかな距離差の情報を利用することが可能になります。

これが、干渉SAR技術です。

図4 SAR電波で距離を測る

図4 SAR電波で距離を測る

* 全体の長さはわからないが、差なら測ることができる!

通常のレーダー技術のみで距離を測定する場合、その精度が数メートル程度なのに対し、干渉SARではセンチメートルレベルでの測定が可能です。


ちなみに、電波、光、音、さざ波などはみな、「波」の性質をもっています。2つ以上の同じ種類の「波」が同じ場所で出会った場合に、波同士が相互作用をおこして、強めあったり弱めあったりします。この現象を広く「干渉」と呼んでいます。

電波を使って、対象物までの距離を測定する場合、対象物までの間に電波の波の「山」と「谷」が何個あるかを数えるのは至難の技ですが、2回の観測を干渉させて差をとれば、移動距離はわずかなため、対象物の移動距離を詳細に求めることができます。(図5)

干渉SARを実施するためには、最低1組の観測が必要になります。

人工衛星を利用する場合は、ほぼ同一の軌道を飛行した異なる時期の観測が利用されます。

こうして、2つの観測の差(例えば、図6のr1−r2)をとることによって、地表変動量検出に利用します。

図5 マイクロ波レーダーの波と地表変動

図5 マイクロ波レーダーの波と地表変動


図6 干渉SARの概念図

図6 干渉SARの概念図

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