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”干渉SARってなに?” 干渉SARのしくみ 初級編

干渉SARの基本になるのは、「SAR(サー)」の技術です。SARは英語の「Synthetic Aperture Radar」 の頭文字をとったもので、日本語では「合成開口レーダー」と呼ばれます。
 
"レーダー"は「気象レーダー」などでおなじみですが、"合成開口"といわれると、なんのことだか分からない人が多いでしょう。 基本はレーダー技術ですので、まずはレーダーそのものから解説します。

「合成開口」?レーダー

レーダーは、アンテナから電波を発射し、観測する対象物に当たって反射された電波を観測します。

反射された電波の強さから、対象物の大きさや表面の性質がわかります。

また、電波が戻ってくるまでの時間を測定することで、対象物までのおおまかな距離も測定できます。

図1 レーダーの原理

図1 レーダーの原理

レーダーで観測する場合、どの程度まで細かい対象物を判別できるかという分解能が問題となります。分解能を向上させるためには、レーダーのアンテナの指向性を絞って細いビームを照射すればよいのですが、指向性を高めるにはアンテナを大きくする必要があります。実際に人工衛星からレーダー電波を照射して、地表で10メートルあるいはそれより高い分解能を達成するのに必要なアンテナの指向性を得るためには、アンテナの大きさ「開口」が1キロメートルを越えてしまい、衛星に搭載する機器としては非現実的な大きさになってしまいます。

そこで、飛翔体(人工衛星や飛行機など)が移動しながら電波を送受信して、大きな開口を持ったアンテナの場合と等価な画像が得られるように、人工的に「開口」を「合成」するのが「合成開口レーダー」と呼ばれる技術です。

図2のように、実開口長が小さなアンテナでも、飛翔しながら電波送受信を行い、仮想的に大きなアンテナを構成する合成開口技術により、飛ぶ方向の分解能を高めています。

図2 合成開口技術による分解能の向上

図2 合成開口技術による分解能の向上

* 開口長が大きくなるほど指向性は高まる!

しかし、合成開口技術だけでは、飛ぶ方向と直交する方向の分解能は変化しません。上の図2でも、そのままでは直交方向の分解能は低いままです。

直交方向の分解能は、アンテナと目標の間の距離分解能に依存します。では、この距離分解能を向上させるにはどうするか? それは、送信波のパルス幅をできるだけ狭くすればよいのです。ところが、パルス幅を狭くすると、送信波の平均電力が少なくなるために、受信してもノイズが多くなってしまいます。そこで、パルス圧縮技術を用いて、送信電力を大きくしたまま見かけ上の送信パルス幅を小さくします。

この合成開口技術とパルス圧縮技術の2つの処理を行うことによって、地表に格子状のメッシュが構成され、その一つ一つの画素(ピクセル、場合によるが通常は数メートル四方程度の大きさ)ごとに反射波の強度などが測定されます。

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