絶対重力測定
真空中で物体を静かに手放すと、物体は地球の重力場に従って地球の中心方向へ向かって自由落下します。その落下距離sと落下に要した時間tをたくさん測ることで重力加速度が求まります。この方法による重力加速度の測定のしかたを【落体自由落下方式】と言います。
物体の落下距離の測定にはレーザー光による干渉を利用します。光路差が光の波長の半分ずれる度に干渉による明暗の縞模様が入れ替わります。これを利用して、自由落下する物体(コーナーキューブ)にレーザー光を入射させ、反射してくる光を参照光と重ね合わせます。落下するにつれて光路差が次々に変わり、それに伴って次々に現れる干渉縞を数え上げることで位置の変化量をつかみます。また、時間の計測には原子時計を使って精度を高めています。
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国土地理院では絶対重力計FG5(エフ・ジー・ファイブ)〔アメリカのMicro-g-LaCoste社製〕を3台(104号機,201号機,203号機)所有しています。FG5はJ.ファラー博士等により開発された自由落下方式の可搬型の絶対重力計です。この重力計は重力加速度を2マイクロGalの精度(公称精度)で求めることができます。
- 日本各地の重力値の決定
FG5の可搬性を生かして、1995年から国内各地で絶対重力測定を実施しています。これらの測定結果は重力基準網に組み込まれ、日本各地の重力値を高精度で決定する基準になっています。
- プレートの運動に伴う重力値の経年変化の追求
東海地方はフィリピン海プレートの沈み込みにより、年間約3mmずつ沈降していることが水準測量から明らかになっています。地殻変動による重力値の時間変化を高精度で検出するため、御前崎地区で毎年絶対重力測定を繰り返しています。
- 海洋潮汐
月や太陽と地球の間にはたらく引力により海水面が引きつけられ、潮汐を起こします。絶対重力計で潮汐による微少な重力変化を捉えました。

| レーザー干渉計 | レーザー光の発生、分割、干渉縞の計測を行います |
| 落下槽 | 落体の自由落下運動を繰り返し行うための真空槽です |
| スーパースプリング | 地震計の一種で、常時微動を補償し、落下位置計測の参照基準を与えます |
| 制御装置 | 測定の設定を行うための指示を与えます |
| コントローラー | 電子回路を備えた各部品のコントローラの集まりです |


国土地理院の所有する3台のFG5
[重力]
[国土地理院の重力測量]